過去の出来事を語るときの時制の選び方
要点
過去の話では、まず語りの基準となる時点を決めます。その時点の状況、話を進める出来事、それより前の出来事を、時制で区別します。一つの話でも、すべてを同じ時制にする必要はありません。日本語では「〜た」や文脈で表せる関係も、スペイン語では基準時と出来事の関係を考えて表します。
形
背景:線過去(imperfecto)/完結した出来事の流れ:点過去(indefinido)/過去の基準時より前:過去完了(pluscuamperfecto)/過去から見た未来:過去未来形(condicional)
使い方
- 場面を線過去で示し、そこで起きた出来事を点過去でつなぐと、背景と話の進展が分かります。動作の長さだけで時制を決めません。
- 語りの途中で、それ以前の事情を説明するときは過去完了を使います。その後、主な出来事の流れに戻れば点過去に戻します。
- 当時の予想や約束に触れるときは、過去未来形でその時点より後のことを表せます。実際に起きたかどうかは、時制だけでは決まりません。
- スペインの標準的な用法では、今日など現在を含む期間の経験を現在完了でまとめることがよくあります。昨日の出来事を語る部分と、今の視点で振り返る部分では、基準が変わります。
例文
- Ayer llovía y la estación estaba llena. Busqué a Marta entre la gente, pero no la encontré. — 昨日は雨が降っていて、駅は混んでいました。人混みの中でマルタを探しましたが、見つかりませんでした。
- Entonces leí su mensaje: había salido de la estación diez minutos antes. La llamé enseguida. — そこでマルタのメッセージを読みました。10分前に駅を出たとのことでした。すぐに電話しました。
- Me dijo que me esperaría en una cafetería cercana. Fui allí y por fin nos encontramos. — 近くのカフェで待っているとマルタは言いました。そこへ行き、ようやく会えました。
- Hoy hemos recordado lo que pasó ayer y nos hemos reído del malentendido. — 今日は昨日の出来事を思い返して、その行き違いを笑い合いました。
よくある間違い
❌ Ayer, cuando llegué a la estación, Marta ya se ha marchado.
✅ Ayer, cuando llegué a la estación, Marta ya se había marchado.
昨日、駅に着いた時点ですでにマルタが去っていた、という関係です。現在を基準にする現在完了ではなく、過去の到着時点より前を表す過去完了を使います。日本語の「もう帰っていた」に対応する関係を、過去の基準時から考えます。
覚えておこう
時制は出来事の順番だけでなく、どの時点からどう見せるかを表します。話の基準時を確認してから選びましょう。