話法の助動詞で表す推測と伝聞
要点
話法の助動詞は、義務や能力だけでなく、話し手の推測や未確認の情報も表します。たとえば müssen は「〜しなければならない」ではなく「〜に違いない」という意味になります。日本語では「はずだ」「かもしれない」「そうだ」などに訳し分けます。どちらの意味かは文脈で判断します。
形
現在の状態:主語+活用した話法の助動詞+…+不定詞。過去の出来事:主語+活用した話法の助動詞+…+過去分詞+haben / sein(完了不定詞)。例:muss angekommen sein、soll gearbeitet haben。
使い方
- müssen は根拠のある強い推測を表します。müsste も「〜のはずだ」という推測ですが、muss より控えめな言い方です。
- dürfte は「おそらく〜だろう」という推測です。この用法では、許可を表す darf ではなく、接続法第II式の dürfte を使います。
- kann / könnte は「〜かもしれない」と可能性を示します。könnte のほうが控えめです。
- 「〜のはずがない」は、たとえば Das kann nicht stimmen. と表します。muss nicht は「〜とは限らない」という意味にもなるため、強い否定の推測には使いません。
- sollen は他人から聞いた情報、wollen は主語本人の主張を伝えます。どちらも内容が事実だと保証する表現ではなく、文脈によって疑いも含みます。
- 過去について推測したり伝聞を述べたりするときは、完了不定詞を使います。助動詞そのものを過去形にするだけでは、過去の推測という意味にはなりません。
例文
- Das Licht ist noch an. Sie muss noch im Büro sein. — まだ明かりがついています。彼女はまだオフィスにいるに違いありません。
- Der Zug dürfte inzwischen angekommen sein. — 列車はもう到着しているでしょう。
- Die neue Nachbarin soll früher in Berlin gewohnt haben. — 新しく越してきた隣人の女性は、以前ベルリンに住んでいたそうです。
- Paul will die E-Mail schon gestern abgeschickt haben. — パウル本人は、メールはもう昨日送ったと言っています。
よくある間違い
❌ Er muss gestern krank sein gewesen.
✅ Er muss gestern krank gewesen sein.
「昨日は病気だったに違いない」と言うには、完了不定詞 gewesen sein を使います。文末では過去分詞が先、haben / sein が最後になります。
覚えておこう
推測では確信の強さ、伝聞では情報の出所に注目します。過去の出来事には完了不定詞を使います。